Q
ケーブルのローイングマシンとプルダウンについて質問させてください。
まず一つ目なんですが、ロープーリーのやり方がうまくいかず広背筋への刺激がいまいちです。自分では最大収縮位がまだ甘のではないかと思っています。背中の角度や引く位置などいろいろ試しているのですが、どれも何かを欠いていて、結局広背筋にいい刺激を得られずにいます。ワンハンドローイングのときは、もっともっと改善できるとはおもいますが、巧く最大収縮の位置で刺激を得られています。
大岡先生がこの種目をされるときどんな風にされますか?前にグリップについての文章を拝読したのですが、私は肝心の最大収縮位をつかめていないので質問させていただきました。この種目もベントオーバーローのときと同じように上体を使わないようにするべきでしょうか?
あともう一つプルダウン系の種目全般腕ばっかりに刺激が行ってしまい巧く広背筋を鍛えられていません。これも同じく色々なことを試していますが、"いまいち"というものばかりでいつも苦戦しています。もっと効くいい方法があるだろう、といった感じで悩みの種です。
大岡先生がプルダウン系の種目されるときは、どんな種目をどのようなフォームでされますか?
よろしくお願い致します。
A
ありがとうございます。今までこの質問をお待ちしていたように思います。貴方のこの質問の目的部位に効かせない事は現在のウエイトトレーニングの ※おかしな常識※ が生み出した産物の中で一番大きな問題ではないでしょうか?
※おかしな常識※
※鍛える部分の筋肉に意識を集中して行うとよく効き効果が上がる。
※目的部位の筋肉の収縮を意識する事は大切である。
これは何の根拠も持たない嘘です。
負荷に対する筋肉の収縮過程とは明らかに相反する事で、この※おかしな常識※のを意識して行う事で人間の感覚を困惑させたり、気付かずに筋肉の本当の感覚を鈍らせてしまいます。
まず筋肉の負荷に対する反応の実際の動きを知りましょう。
どのような骨格の位置でもよいのですが、たとえば手のひらを上に向けてその状態で維持させます。維持させた状態で、その手のひらを上から誰かに徐々に負荷をかけて押さえてもらって下さい。そうすると、負荷が大きくなるにつれて筋肉の緊張収縮も大きくなっていくのを自然に感じてきます。
そうなのです。筋肉は負荷によって緊張収縮を自然に起すのです。繰り返しますが、筋肉は負荷が増えれば増えるほど大きくなるのです。高いところから飛び降りる時でも飛び降りる高さが高いほど着地に必要な負荷に耐えようとして自然に緊張収縮も大きくなります。
しかし、意識で筋肉の緊張収縮をさせる場合はどうでしょう。
まず、絶対に緊張収縮させる為には負荷は無ければ無いほど緊張収縮をさせる事が出来ます。そうなのです。意識における緊張収縮感は負荷によって起こる自然な緊張収縮とは全く逆で負荷の無い時により発揮出来る物なのです。その状態で筋肉をいくら稼動させても、当然そこには筋繊維を破壊する負荷張力は存在しないので、筋力アップは望めません。
何故効かないのか? ですが、※おかしな常識※をお持ちの方は、実際の負荷をかけてトレーニングを行っている時に、意識は真逆の負荷がかかっていない時に起せる緊張を求めて動作を行っている。と言う事になります。これは負荷抵抗による自然な筋肉の緊張収縮感と故意に筋肉を緊張収縮させようとする、真逆の意識のぶつかり合いをあえて作り出している事になります。この真逆の意識を混同した複雑な感性状態でトレーニングを行ってしまっているのです。
検証してみてください、故意に無負荷で緊張収縮を作った状態で負荷をかけたらその緊張収縮感は消えてしまいます。当然、意思とは逆方向の力をかけた事になるのですから。負荷をかけてのトレーニング時に意思で逆の事を感じようとして感覚が鈍るのは必然で、筋力も発揮しにくくなります。
トレーニングを続ける中でいつしか自然にそのような※おかしな常識※から開放され純粋に大きな負荷を受ける事だけが出来るようになった人達だけが結果を得られてある程度のレベルに達する事が出来るのです。しかし、素直にその※おかしな常識※から抜け出させない人達がこの楽しくて素晴らしい筋トレから脱落していくのは見るに忍びないです。
はっきり言い切ります。この※おかしな常識※さえなければ、ただ単に動作のフィニッシュに持ってくる事だけで誰もが絶対に効きます。
基本的に特別な筋肉部位でなければ主導部位の筋肉の効く感覚が無いという事はありません。特に初心者の場合はどの部位も効き過ぎるのでセーブしなければならないくらいなのです。この時に ※おかしな常識※ による指導は最悪です。素直な時に間違った意識を入れるのは筋トレ被害者を作ってしまいます。
背中のトレーニングのご質問に戻りますが、特に背中の場合、動きを工夫する前に背中の効きが悪いのは何故か?これは意識です。背中の筋肉を収縮させる意識を完全に取り去る必要があります。まず何の意識もしないで最大収縮位置まで出来るだけの負荷をもってきてその位置で維持させる事だけを考える事が大事です。その時に収縮させようなどとは決して思わない事です。この事は感覚的に、全く真逆であり弊害以外何ものでもありません。ただそこ位置にに持って来る。ただそれだけです。背中の場合変に収縮させようとしなければ誰もが非常に効く種目なのです。是非この事に注意を払い?いえ意識の集中をせずお試し下さい。
これはどのような種目においても同じと考えてください。
最大収縮位置で張力負荷を受けられる事こそ筋肉の緊張収縮を起す核となります。そうする事で最大筋力位置を軸に緊張範囲を形成し動作が起せるようになります。フォームにおいても自然にその位置に持ってくる為に起こるものでよいし、軌道や速度、稼動域までも自然に決まってきます。
今回貴方の質問でいつかどんな形で公表しようとしていたこの※おかしな常識※についての事を公開できた事を感謝します。実際この事は今後論議を起すとは思いますが、私は実際の検証と、事実に従ってお話をさせていただいております。是非お試しの上御意見を頂戴できれば幸いです。