Q、
ワンハンドローイングについて、教えて下さい。可動域は一般的に広背筋をストレッチして、伸ばしきる感覚という認識を持っているのですが、大岡さん的にはどのようにお考えですか?
A、鍛錬
御質問ありがとうございます。まずストレッチという貴方の記述ですが、おそらく私の推測では筋肉のストレッチをさしていると思います。もしも、関節可動域の広いところで行う事をストレッチを考えておられればそれは全く違います。筋肉におけるストレッチとは関節可動の広い狭いではありません。筋肉は固定された角度の中で緊張と弛緩をします。従って貴方の言葉を言い換えれば可動域の広い位置で筋肉の緊張をさせているとなります。
その場合、関節のテコ作用からすると関節角度の狭い方向では筋力が強く、広い方では筋力は弱くなります。そのときの筋肉が発揮しているエネルギーは全く同じでも関節のテコ作用によりエネルギーの伝達が落ちるから筋力も落ちているのです。
支点を持った一辺が何かで引き付けることで力を発揮させる上においては人間の関節とか何かとかは全く関係ありません。その証拠に関節可動の中で筋力を発揮させるとき必ず、一関節では筋力の大きな位置から小さな位置、もしくは小さな位置から大きな位置に向かいます。その力の増減を検証して見ると、明らかにテコ作用の原理どおりに筋力は増減します。これは発揮されるエネルギーの変化で起こっているのでは無いことを表しています。
上記をふまえたうえでワンハンドローイングを見た場合、最大筋力位置でやっと静止維持出来る重量をそのまま関節可動の広い位置で筋肉を緊張させて維持するのは不可能です。もし出来るとしたら次の様になります。『筋肉の緊張が抜けているか、実際の最大筋力重量ではなく広可動位置での限界重量である。』だけなのです。
だから最大重量位置に持ってくるためにはチーティング動作が必要になるのです。ユックリと無反動で最大重量位置まで持ってくる事など全てにおいて不可能です。またそれで最大筋力トレーニングなどは出来ません。
皆さんの疑問や言いたい事は良く分かります。私も最初からこの様に考えていません。しかし、テコ作用の原理どおりに扱える重量負荷の増減を色々な種目で試しましたが、思いとは裏腹にどんなに頑張っても角度に応じた筋力しか発揮できませんでした。一関節の筋肉部位においてこのテコ作用による筋力の増減は悔しくもまぎれも無い事実なのです。支点を軸に引く物として紐やロープ、ワイヤーと色々な素材がありますが、筋肉は特別の素材です。どの関節角度でも固定させたり、緩めたり、反発させたり出来ます。しかし、そうだとしても関節角度による力の増減は変える事の出来無い不変のものです。
一筋肉部位を鍛える上においては、残念ながらこの事をベースに考えなければ必ず怪我を誘発させます。この事の理解から色々な事柄の真実が見えてきます。
『反動無しでは、筋力の弱い関節角度からは筋力の強い関節角度には持っていく事は不可能である。』
『筋力の増減は筋肉のエネルギーの増減ではなくテコ作用による関節角度の伝達効率の低下である。』
『重量が大きいほど関節可動は狭くなる。』
『最大重量限界位置からの無反動での関節可動は危険である。』
『最大筋力位置での筋力が増せば関節可動全体の筋力も大きくなる。』
『広可動位置では筋肉よりも腱や関節の負担が大きくなる。』
上記の事は全てテコ作用に当てはまる事実です。この事を基に考えうる事を全て当てはめて検証してみてください。トップビルダーなどはこの事を逆手に取り危険を利用して筋肉の刺激をより大きくしている方法もあります。貴方のワンハンドローイングもその一つです、ある部分を限界負荷以上の負荷に持ってくる事は出来ます。しかしそれも最大負荷位置からすれば危険でしかありません。
貴方のシンプルな質問は今までトレーニングをして来た人を代表する大変重要な要素を含んでいます。今一度私の言う関節のテコ作用を考えてみてください。
通りすがり 2008年02月22日(金)01時22分 編集・削除
ほんまタメになります。
全ては物事によらず、思慮につきますね。